──神宮球場の100年にはさまざまな出来事があったと思います。序章から終章まで長谷川さん色が出ていると思いますが、そのセレクトのポイントはなんだったのでしょうか。

長谷川:明治神宮、神宮外苑、神宮球場に関するさまざまな書籍や資料を読んでいる中で、自分が気になったこと、知りたくなったことを基準に選びました。いろいろな切り口を考えては自問自答を繰り返したんですけど、最終的にこだわったのは「私的好奇心」ということでした。

 まず、「神宮球場と○○」というテーマを作って、○○に当てはまるものを考えていきました。自分はヤクルトファンなのでもちろんスワローズがあり、早慶戦、花火大会、再開発、ツバメ軍団岡田団長などのキーワードがいくつか浮かび、それぞれ調べ、関係者に話を聞いて構成していきました。結果的に3年にわたる取材になりましたが、長い神宮の歴史のなかでも正史的な側面と記憶的な側面、両面をカバーすることを意識しました。

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一人のプロ野球ファンとして見た再開発問題