
ヤクルト・奥川恭伸はプロ6年目を迎えているが、今春キャンプではまたしてもコンディション不良で途中離脱となった。超高校級と言われた逸材だが、プロ入り後は怪我との戦いが目立つ。このまま埋もれてしまうのか、期待以上の活躍を見せてくれるのか、誰にも予想がつかない。
【写真】岡本和真でも村上宗隆でもない…他球団の首脳陣が語る「最も嫌な4番打者」はこちら
居合わせた誰もが目を疑う光景だった。「コンディション不良は三味線(偽装)だった」という人もいたほどだ。
奥川は2月21日、キャンプ中最後の休養日を返上して自主練習を行った。18日にはロッテとの練習試合で先発を務める予定だったが試合直前でコンディション不良により回避。長期離脱の可能性が報じられていた中での行動だった。
「コンディション不良での離脱は間違いない。開幕まで1カ月以上あり、実戦登板もしていない中で三味線は考えられない。数日間の休養で状態が上向きになり、本人が動けると判断したのだろう」(ヤクルトOB)
球団は18日の先発回避の理由を「下半身のコンディション不良」と発表、高津臣吾監督も「今後は当分無理だろうね」と語っていただけに周囲が驚くのも無理はない。強目のキャッチボール後はブルペン入りして投球練習まで行った。
「早期に練習を再開したことに対して喜ぶ声も聞こえるが、計算が立たない投手と言える。先発でシーズン通して働いて欲しい投手だが、コンディション不良でいつ離脱するかわからないので頭数として考えづらくなる」(在京球団編成担当)
高津監督は、「残念ですね。今年こそはと思っていた」と深刻さをうかがわせていたが杞憂に終わるのか。「無事これ名馬」ではないが、体の不安なく1年を乗り切って欲しい投手のはずだ。
「高校時代の投げ過ぎも心配されたが、プロ2年目には先発の一員として結果を残し日本シリーズの初戦先発を任された。エースとしてこの先10年は活躍が期待されたが、今では計算が立たない。高津監督も頭が痛いだろう」(ヤクルト関係者)
2019年夏の甲子園で石川・星稜の準優勝に貢献した奥川は、同年のドラフト1位でヤクルトに入団。プロ2年目の2021年は登板間隔を空けつつ18試合に登板し、9勝4敗、防御率3.26をマークした。その後のキャリアは前途洋々にも見えたが、怪我が奥川を何度も阻んだ。2022年以降は一軍マウンドから遠ざかり、昨年6月14日のオリックス戦で2年ぶりの一軍登板と白星を挙げた。その後も6試合に先発して3勝を挙げた右腕には、今季こそ“万全の状態”でと期待する声は大きかった。