すずき・ひでゆき/SBI証券投資情報部長。日栄証券(現SBI証券)に入社後、リテール営業部、調査部、株式部などを経て現職(撮影:写真映像部・上田泰世)
この記事の写真をすべて見る

 配当大好き派のために2025年スタート1カ月で買われた日本株をランキング。下落ゆえの高利回りではなく株価好調・かつ高配当の銘柄が多くある。AERA2025年3月3日号より。

【ランキング】個人投資家が買った高配当株ランキング ベスト30はコレだ!

フォトギャラリーで全ての写真を見る

*  *  *

 新NISA2年目の2025年、年初から物色されている日本株はどのあたりか。個人投資家の売買代金が最も多い金融機関がSBI証券だ。同社の日本株データを集計してもらった。まず単純に25年1月(1カ月間)の買い付け代金ランキング=下の表を。1位は三菱UFJ FG(フィナンシャル・グループ)、2位アドバンテスト、3位ディスコ。SBI証券投資情報部長の鈴木英之さんは語る。

「買いも売りも合計した売買代金で見ると、上位は軒並み半導体関連でした。いわゆる『AI革命』を背景に値動きの良さで売り買いされていますが、半導体は短〜中期でのトレード目的が主で長期投資家は少なめと思われます。お渡ししたデータは『売り』を除いた買い付け金額順に並べていますが、そうすると3大メガバンク──三菱UFJ FG、三井住友FG、みずほFGが20位までに入ります。いずれも配当利回り3%台です」

メガバンク安定

 日銀が政策金利の正常化に向かっているため「金利復活で銀行は利ざやが見込める」という投資テーマも(一応)背景にある。ただ、メガバンク3銘柄は調整するとすぐ押し目買いが入る。結果的に株価は安定。新NISAでの投資にもよさそう。

 株価的に買いやすく、利回りも優秀なメジャー株としては日本電信電話(NTT)19位。個人投資家人気ランキングの常連で、正直目新しさはない。

「24年の年間騰落率1947%と突出しているのが11位のメタプラネット。思惑系銘柄で何度も業態転換をしてきましたが、今は実態的に暗号資産への投資会社のようになっています。トランプ米大統領が暗号資産重視政策の発言をしていることもあり期待感で上がっていますが、キャッシュフローから妥当価値を計算しにくい。株価は現状、暗号資産の価格と連動して乱高下しやすく、初心者には難しい投資対象となりそうです」

次のページ
現預金と有利子負債