ドイツで奮闘を続けている室屋成(ハノーファー)は、今夏にJリーグ復帰の可能性が大いにある。青森山田高、明治大を経てFC東京に入団し、抱負な運動量を武器に4年半プレーして日本代表にも選出された後、2020年8月にブンデス2部のハノーファーに加入した。ドイツでも右サイドバックのレギュラーとして活躍を続けてきたが、1部昇格は果たせずに2部でのプレーが続いており、今季も現時点で8位と微妙な順位となっている。ハノーファーにとっては必要な戦力であることは間違いないが、現契約は2025年6月まで。計算できる右サイドバック探しているJリーグクラブは多くあり、今年4月に31歳となる室屋がJリーグ復帰を選択する可能性は大いにある。

 そして今季のチーム順位によって大きく状況が変わりそうなのが、ベルギー組である。多くの日本人がプレーしているベルギー1部リーグはプレーオフ制度が導入されており、現時点で下位2チームが2部降格(入れ替え戦で最大3チーム降格)となる「プレーオフ3」の圏内に、シント=トロイデン(14位、勝点25)、コルトレイク(15位、勝点20)が位置しているのだ。

 日本企業が経営権を取得しているシント=トロイデンには現在、小久保玲央ブライアン、谷口彰悟、小川諒也、藤田譲瑠チマ、山本理仁、伊藤涼太郎、小森飛絢が所属している。現時点で「プレーオフ2」圏内の12位までは勝点差6であり、まだまだ逆転の可能性があるが、もし仮に2部降格となれば、他クラブへの移籍を選択する選手が出てくるはず。アキレス腱断裂による長期離脱中の33歳のDF谷口だけでなく、高い身体能力と強力な左足を持つ28歳の左サイドバックの小川、足元の優れた技術とパスセンスにシュート力も身に付けた27歳のMF伊藤は、年齢的にもベルギー2部でプレするのはナンセンスであり、他クラブからのオファーの中でJリーグ復帰も真剣に考えるべきだろう。

 コルトレイクには、藤井陽也と角田涼太朗の2人のセンターバックが所属している。レギュラーとして絶賛活躍中の藤井は現在24歳で、187cmの長身を生かした空中戦だけでなく、優れたスピードでのカバーリングも評価される大型CB。チーム内での評価も高く、昨年6月に2028年までの4年契約を結んだことが報じられたが、2部降格となった場合にどうなるか。

次のページ
近い将来「戻って来る」のは誰か