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知事は「私がコメントする立場ではない」
百条委員会が設置された当時、内部告発に記された事案を調査するという方針が示された際に、維新の県議は、元県民局長の公用パソコンのデータなどについて、「すべて開示してほしい」 と強く主張していた。これに対し、元県民局長は弁護士を通じて内部告発とは無関係なデータを公開しないよう求めたが、百条委員会の証人尋問に出席する直前の昨年7月に自ら命を絶った。
当時、兵庫県の複数の職員がAERA dot.の取材に対し、
「パソコンのデータ開示を求めて、元県民局長を『つるし上げたる』と維新の県議が言っていた」
と証言した。
その際、増山氏に電話をしたところ、
「公用パソコンのデータ開示を求めたかどうか、会議は非公開でしたのでお答えは差し控える」
と答えていた。だが、増山氏は自ら非公開の委員会の内容を漏洩していたわけだ。
百条委員会委員の丸尾牧県議は、岸口氏が流した文書内で竹内氏とともに「黒幕」と名指しされていた。丸尾氏が憤慨する。
「百条委員会のメンバーが情報漏洩に関与していたというのは驚くばかりだ。岸口氏が立花氏に渡した資料は誹謗中傷であり、事実に基づかない。2人はあまりに無責任だ」
日本維新の会代表である吉村洋文・大阪府知事は県議の情報漏洩について、
「本人たちの思いがあるのはわかるが、ルール違反ですから、あってはならないこと」
と発言。
斎藤知事は2月19日の定例記者会見で岸口氏の問題について問われ、
「私がコメントする立場ではない」
と話している。
維新の国会議員の一人は、沈痛な表情でこう語った。
「また不祥事で、地元の選挙区でも有権者の厳しい声が突き刺さっています。それでなくとも党勢が冷え込んでいるのに、これは痛い。(公職選挙法違反容疑で告発されている)斎藤知事以上に、こっちが瀬戸際ですよ」
(AERA dot.編集部・今西憲之)
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