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「マスコミに提供しても握りつぶされる」
維新県議の立花氏への情報提供はこれだけではない。
同じ2月19日夜、やはり百条委員会委員である維新の増山誠県議がYouTube番組に出演し、
「片山元副知事の発言を録音して立花氏に渡したのは私です」
と“自白”した。
昨年10月25日の百条委員会では片山安孝元副知事の証人尋問があったが、知事選の日程が近いため、選挙に影響を与えないように「非公開」とされた。その委員会で片山氏は、元県民局長の公用パソコンにあった私的文書の内容を話し始めた。内部告発の問題とは無関係であり、真偽不明のプライベートな内容だったため、委員長の奥谷謙一県議は発言をやめるよう制止したが、片山氏はしばらく話を続けた。この委員会の動画は知事選後に公開されたが、片山氏の不規則発言部分は音声を消されている。
だが、増山氏は非公開だったこの日の委員会を録音し、片山氏の不規則発言も含めた録音データを、選挙告示日の10月31日に立花氏にLINEで送信していたというのだ。
この録音データを立花氏は選挙中にSNSなどで公開。YouTubeで29万回再生されるほど広く拡散され、斎藤氏を告発した元県民局長が問題のある人物であるような印象付けにつながった可能性が高い。
増山氏は番組内で、ルール違反については謝罪したものの、
「マスコミに提供しても握りつぶされると考えた。立花さんは発信力がある。県民が多くの事実を知ったうえで、選挙に臨むべきだと思った」
などと正当性を主張した。
だが、増山氏は委員会で選挙に影響を与えないよう「非公開」と決めたデータを、知事選のさなかに斎藤氏を応援する選挙活動をしていた立花氏に、真偽不明な内容を含めて提供して拡散させ、選挙に影響を与えようとしていた。正当化できる話ではないだろう。