インタビューに答える堀ちえみさん(撮影/加藤夏子)
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 1月15日、タレントで歌手の堀ちえみさん(57)の公式ブログや掲示板で中傷の書き込みをしたとして、侮辱と脅迫容疑で無職の中島早苗容疑者(47)が逮捕された。翌2月6日、中島容疑者は計約16000回にわたって堀さんのブログにメッセージを送り、ブログを管理する会社の業務を妨害した偽計業務妨害容疑でも再逮捕された。ネット上での誹謗(ひぼう)中傷に長らく苦しんできた堀さんは容疑者が逮捕された今、何を思うのか。「元ファン」だという容疑者への思いと、これまでの凄絶な被害の実態を、堀さん本人が涙ながらに語った。

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――ネット上での誹謗中傷が始まったのはいつからですか?

 やっぱり病気をしてからですね。2019年2月にステージ4の舌がんと診断され、公表したのですが、世の中には「ステージ4=死」というイメージがあったようです。私は抗がん剤治療をせず、髪の毛が抜けるなどの分かりやすい変化がなかったこともあり、ネット上で“詐病説”が広がりました。

 私や私の家族、医療関係者、テレビ局が結託して私の病気を作り上げている、などと到底あり得ないデマが流されました。でもこちらが反論したところで、「ウソだ」とさらに攻撃されてしまう。沈黙するしかありませんでした。中傷する側は好き放題言えて、代わりに私の表現の自由は奪われる。理不尽だと思いました。

 コロナ禍になると、人々の関心がコロナに向いたせいか中傷は落ち着いたのですが、日常が戻ってくるにつれて再燃しました。ネット上で「攻撃してもいい対象」としてターゲットにされたのだと思います。

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「デブ」と言われ続けた結果…