織田裕二(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
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 大人気SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(通称・BTTF)が、日本テレビ系金曜ロードショーにてPart1が2月7日、Part2が14日に放送され、21日にもシリーズを締めくくるPart3が放送予定となっている。

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 今回は“新吹き替え版”として主人公のマーティに宮野真守が充てられており、同作の吹き替えバージョンはこれで5つめとなった。

「1985年の公開から今年で40周年となるBTTFですが、マーティの声として世間に広く認知されているのが、テレビ朝日版の三ツ矢雄二とソフト版の山寺宏一ではないでしょうか。とりわけ、アニメ『タッチ』の上杉達也役で知られる三ツ矢はマーティのコミカルさや若干の弱々しさを見事に表現し、ファンの間でも評価が高いですね」(映画ライター)

 他に、BSジャパン版では宮川一朗太もマーティを演じているが、物議を醸したのが1990年に「ゴールデン洋画劇場」(フジテレビ系)で放映された織田裕二だった。

「当時の織田は、同局のドラマ『東京ラブストーリー』でのブレーク直前であり、知名度を高める絶好の機会だった。しかし、声優のプロではなかった織田の演技は『ただの織田裕二』だったことでマーティのキャラクターとはミスマッチ。ドク役に起用された三宅裕司も活舌が悪かったことで、“最も残念なBTTF”と作品のファンから後ろ指を指されています」(同)

 もっとも、吹き替えが不評だった事例は「BTTF」に限ったことではない。日本では話題性を優先したキャスティングによって、作品の世界観を損なうケースが多々あった。

 2011年公開のSFサスペンス「TIME/タイム」では、ヒロイン役の吹き替えを当時AKB48だった篠田麻里子が担当。しかし、演技があまりにも棒読みで、プロの声優がしっかり演じていた他のキャストと比較するとその差は歴然。緊迫感のあるシーンも台無しになったと酷評された。人気漫画家の相原コージ氏が自身のTwitter(当時)で、〈ヒロインの吹替えが酷すぎて気になって面白さ半減。ググってみたら篠田麻里子がやってたのね。これじゃ映画そのものも関わった人達も余りに気の毒〉〈キャスティングした奴は切腹すべき〉と斬り捨てたほどだった。

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