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働く人全般にプラスを
「価値観や生き方の多様化により、個人のライフコースも多様化し、典型的な人生、ライフコースのモデルの設定は困難になっています」(大島さん)
子どもがいる人でも法的に婚姻関係がある夫婦、シングルマザーやシングルファーザー、法的な婚姻関係はないパートナー同士など、家族の形は様々に考えられる。大島さんは言う。
「家族の形の多様化や単独世帯割合の高まりを踏まえると、世帯という単位ではなく、支援を必要とする個人に向けた視点、子育てという点で見ると家族の形にかかわらず、その子どもが必要な支援が何かという視点で支援や制度を考えていくアプローチもあるでしょう」
実現に時間はかかるが、子どもの有無にかかわらず、働く人全般にプラスが期待できる方法は不公平感が生じにくい、とも大島さんは唱える。
「子どもを産み育てやすいようにサポートする方法は、子どもがいる人への経済的支援という選択肢以外に、企業による賃上げや雇用形態による賃金などの待遇格差の解消などの方策もあります」
独身こそ将来が不安
パートナーにしろ、子どもにしろ、一緒に暮らす人が今いるか、いないかは人生の中で常に移ろう。だからこそ、と大島さんはこう強調する。
「人生の中でサポートが必要な時に、誰もが必要な支援が得られるような仕組みを整える、その仕組みの実現のために個人は負担があっても必要時には支援が得られるという安心感と、それゆえの負担の納得感を人々が持てることが今後より重要になってくるのではないでしょうか」
(編集部・渡辺豪)
※AERA 2025年2月17日号より抜粋
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