「要は1ミリでも現状を変えようとするプロ意識をもっているかどうか。参画意識を欠いた、『ふう』な人はプロジェクトの質を下げてしまいます」(同)

「フリーライド(ただ乗り)する人」も要注意だ。

「自分が地域に貢献するという考えはなく、地域の側が自分に価値を提供してくれる、というマインドでプロジェクトに参画されるとトラブル発生率が非常に高くなります」(同)

 とはいえ、ふるさと副業・兼業の場合、「その地域に関わること自体がモチベーションになる」という動機の人が多いのも事実。「仕事」と考えると、まず気になるのは報酬だが、「その地域に関わるという出発点で報酬を得ている感覚」のため、報酬は二の次と考える人も多く、3万~10万円の月額報酬で契約するケースがほとんどだという。

 金銭的報酬よりも、やりがいや成長。だとしても、実際に貢献できるかどうか不安という人も少なくないだろう。南田さんは中高年も最初は「自分には何ができるか分からない」でいいとアドバイスする。「ふるさと兼業」の応募者の中に、「長年、1つの会社で働き成果も収めてきた自負はあります。しかし会社を離れた定年後、社会の役に立てるのか全く自信がないんです」と吐露した50代男性がいた。この男性はその後、地域の現場に飛び込んで自信をつけ、定年後は地域を支援する会社を設立したという。南田さんは言う。

「自分のスキルや経験がどう生きるかは地域の中に飛び込み、いろんな業務に関わる中で見えてきます。悩む前に実践し、自分の強みを磨いていく方が近道だと思います」

(編集部・渡辺豪)

AERA 2025年2月10日号より抜粋

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