SBI証券で販売する投資信託は保有残高に応じてポイントがつく。オルカン、はじめてのNISAは残高の0.0175%を付与している。この0.0175%はもともとSBI証券が信託報酬から受け取るはずだった取り分(の全額)である。つまりSBIは、新NISA経由でオルカンがどんなに売れても儲けなし。本当はオルカンなどを買ってほしくない?

「いえ、そんなことはありません。低コストの投資信託を入り口に、1株から日本株を買えるS株、1千円から始められる純金積立など他の投資にも興味を持っていただけると嬉しいです」

 ところでオルカンは全インデックス投資信託の中でも最安水準の信託報酬だ。0.05775%で十分安い。今後、他社からさらに安い水準が出ても引き下げなくていいのでは? 以下、三菱UFJアセットの回答。

「業界最低水準の運用コストを目指し続けるというコンセプトを信頼して買ってくださる方も多くいらっしゃるため、ファンドの継続性に配慮しつつ、この方針を変える予定はありません」

 では仮に信託報酬を取らない投資信託が出てきたら?

「長期にわたりサステナブルで安定した運用を続けるため、ゼロにはいたしません」

(経済ジャーナリスト・向井翔太、編集部・中島晶子)

AERA 2025年2月3日号

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