「もっと話をしておけば」
アンケートに寄せられた多くのコメントからは、亡くなった家族と「もっと話をしておけばよかった……」という後悔がにじみます。
「オシャレだった義父が亡くなって納棺の時にカツラをかぶせようとしたら、親族総出で探してもどうしても見つからず遺族として残念だった。もしかしたら義父自身が処分したのかもしれないが、生前のダンディな出で立ちでお見送りしてあげたかった」(60代、女性)
「夫が突然くも膜下出血で救急搬送され、10か月後亡くなりました。遺品整理や手続きも済みましたが、普段していなかった夫の結婚指輪が見つかりません。どこにしまってあったか聞いておきたかったです。
生前、話し合っていた延命措置はしないということも、子供たちの切望で延命措置をしてもらうことにしました。本人の希望に逆らったこと…夫に謝りながらの日々でしたが後悔はありません。子供たちの望みを叶えてくれた10ヶ月は辛くてもかけがえのない宝物です。毎日夫に手を合わせ感謝を伝えています」(60代、女性)
「私は父親っ子で、年齢が上がっても、父が大好きで尊敬していましたので、父が亡くなって悲しみから立ち直るまで数年かかりました。
実家に行くと父はいつも「泊まって行け」と言ってくれましたが、同じ市内にいるのだし仕事もあるので、泊まる事はありませんでした。『もっと父と一緒にいる時間を大事にすれば良かった、そうすれば体調の変化にも気付けたかもしれない』と、それだけが今でも悔やまれます。」(60代、女性)
60代の女性は、亡くなった息子の携帯電話を手に、息子のありし日に思いを馳せています。
「昨年、突然息子を亡くした。通帳と印鑑はわかったが携帯の暗証番号が分からず未だに開けない。何を思っていたか知りたい。本人もこれから長い人生があった筈なのに無念だっただろう。できるならあの日に戻って助けたい。それが無理ならせめて看取ってやりたかった。
今も時々メールや電話をしてみる。届かなくとも」
(AERA dot.編集部)