最も多かったのが「口座がある銀行名」の57%。2番目が「保険の加入状況」の47.1%でした。さらに「延命措置についての希望」と「通帳や印鑑、不動産の権利書などの保管場所」が同数の40.1%でした。
 

 アンケートには、家族を看取った後の「混乱」を経験した方からのコメントが多く寄せられました。いくつかコメントを紹介します(読みやすいように、一部を省略したり、改行や句読点を加えたりしています)。
 

「想い出の詰まった家を売却して良いのか、やはり娘(私)に住んで貰いたいと思っているのか。本心をそれぞれに聞いておきたかった。何が大事なものなのか、書類を見てもよくわからない。特に写真やメモ(手帳や手紙なども)。もっと一緒に整理をして、大事な書類や写真などについて、その都度聞いておけばよかった。今は実家に大量に両親の映った写真や、(両親が参加した)親戚の結婚式の写真アルバム(かなり本格的なもの)などがあるが、これは捨てづらい。映っている本人にあげればよいが、連絡先もわからない。

 それから実家の権利証のありかも聞いておけばよかった。

 両親の人間関係も、学生時代・会社員時代・定年後それぞれの時代に親しくしていた人、お世話になっていた人との関係性の最新の情報(存命か否か、住所など)を聞いておけばよかった。亡くなった後に、きちんと連絡ができて、最後の挨拶ができたのにと悔やまれる」(50代、女性)

「お金のこと。借金があったのは驚いた。言い出しにくい、話しにくいことこそしっかりやっておかないと困ると思う」(50代、女性)

「両親が亡くなった後、法定相続人から訴えを受けた。その手続き・仕舞・解消に手間を要したので、(どうしようもないが)実父生存時に、相続に関する意志を生前に聞いておけばよかった。」(60代、男性)

「実母が養女だったが、関係する方々の連絡先を聞いてなかったので逝去の知らせが出来なかった」(60代、男性)
 

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