テーブルの上にモノを山積みに置いていたリビング・ダイニング/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。 1日は24時間。これはすべての人に平等に与えられている時間です。この時間をどうやって使うかは、人それぞれ。仕事に打ち込む時間が長くなったり、家事をする時間が長くなったり、その人の年齢などによっても変わってくるでしょう。

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case.88 お手本は先に片づけた友人 夫(2拠点でそれぞれ生活)/大学教員 兼 演奏家

 仕事が充実して忙しくなると片づけまで手が回らず、家が散らかってしまう。よくあるお悩みだと思います。私が主宰する“家庭力アッププロジェクト®”の参加者にも、このように悩んできた方は多いです。

今回ご紹介する女性もその一人。仕事のモノが増えて、費やす時間も増えた結果、気づけば家の中は身動きが取りにくいほど散らかってしまったのです。

 演奏活動をしながら大学で教員も務めるという仕事のスタイルで、もともと多忙な生活。4年前に役職が上がると、業務量が一気に増加しました。コロナ禍に突入したときには、全国を飛び回っていた演奏活動ができなくなってしまったので動画配信を始めます。

「動画配信が軌道に乗ってきたので、コロナが明けて演奏活動を再開しても続けました。そうすると、本当に忙しい。家に帰ってきて寝るだけの生活でしたが、横になるスペースもなくなるくらい、どんどん家の中が荒れていきました」

 小さな頃は片づけが得意で、幼稚園でほめられることもありました。大人になるにつれて片づけが苦手になり、最近は自宅に生徒たちを招く機会に年1回片づけるだけ。しかし、コロナ禍がきっかけでその機会もなくなり、家はゴミ屋敷状態に。

「ダイニングにある大きなテーブルの上もモノでいっぱい。食事は約15㎠くらいの場所でしか食べられませんでした。片づけてくれるサービスを頼もうかと思ったんですが、自分でさえどこに何があるかわからないのでいろいろ捨てられると困るな、と。でもどうすればいいのかわからないし、『助けて!』って感じでした」

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