ダイニングには大きなテーブルを置くべき、という考えをやめると、彼女らしい生活スタイルができました。
片づけを手伝ってくれた夫が、「一緒に片づけることが夢だった」と言ってくれたことも。
「最終的に家の中がきれいになったら、夫はビックリしていましたね。私は今まであまり自炊をしなかったんですが、キッチンが使いやすくなったので料理を作るとすごく喜んでくれました」
彼女は45日間のプロジェクトが終わっても、朝10分間タイマーをかけて片づけることを続けています。洗濯物や洗い物の山ができることは、もうありません。
「どんなに忙しい日々の中でも、10分くらいは時間を作れるんですよね。朝10分片づけたという事実が、一日中“私はできた”という達成感を与えてくれます」
ほかにも、仕事の優先順位を決めて計画的に進められたり、生徒たちの「できない」という気持ちに寄り添えたり、彼女は片づけを通して内面の変化も感じています。
「こんな部屋で悩んでいるのは私だけだと思っていましたが、プロジェクトでは同じように悩む仲間がいました。一人では片づけられなかったと思いますが、できたのは仲間や先に片づけていた友人のおかげです。もし片づけられないと一人で悩んでいる人がいたら、『あなただけじゃないよ』と伝えたいですね」
悩みを解決するために動き始めると、仲間や助けてくれる人が一緒に道を切り開いてくれることがあります。忙しさを言い訳にせずに、「片づけたい」「もう悩みたくない」という気持ちを誰かに相談するだけでも、彼女のように生活が一変するようなことにつながるかもしれません。大切なのは、現状を変えようとする気持ちと、一歩を踏み出す勇気です。