2017年WBCは故障明けで辞退したが…
今宮は菊池雄星(エンゼルス)、筒香嘉智(DeNA)と同世代の33歳。明豊高校時代は投手兼内野手の1番打者として活躍し、当時からアマチュア球界で有名だった。ソフトバンクにドラフト1位で入団後、高卒3年目の2013年に遊撃のレギュラーを獲得し中心選手となった。昨年は遊撃手で1532試合出場に到達し、松井稼頭央(元西武)を抜いてパ・リーグ最多出場記録を樹立。昨年の25犠打はリーグ最多で、通算395犠打はパ・リーグ記録だ。守備でも巧みなグラブさばき、強肩に加え、安定した送球でチームのピンチを幾度も救っている。源田が2018年から7年連続ゴールデングラブ賞を受賞した陰に隠れているが、その前の13年から17年までは今宮が5年連続ゴールデングラブ賞を受賞していた。
かつて、今宮と共に自主トレを行った選手はこう語る。
「お世辞抜きであんなに練習する選手を見たことがない。レギュラーをつかんで実績を積み重ねても、常に危機感を持ち続けて野球に取り組んでいる。こういう先輩がいるから、若手も妥協せずに取り組む。ソフトバンクを象徴する選手だと思います。国際舞台では経験豊富なベテランの力が必要になる時が必ず来ます。勝つ術を知っている選手なので、メンバーに選ばれたら侍ジャパンに大きなプラスアルファをもたらすことは間違いありません。守備能力も高いですし、打撃で言えば今宮のほうが源田より上です」
今宮は17年のWBCで侍ジャパンのメンバーに出場要請されたが、この時は右肘の手術明けでコンディションに不安を抱えていたため辞退した。あれから8年が経って攻守に円熟味が増し、現在が全盛期と言ってもおおげさではない。今宮が日の丸のユニフォームを身にまとい、来年のWBCでグラウンドに立っている可能性は十分にある。
(今川秀悟)