矢野さんがおふたりの質問に答えると、さらに思考の深まった言葉が返ってくる。
「両陛下とのやり取りは、とても重要で深いものでした」
と、矢野さんは振り返る。
今年活躍が期待される愛子さま
両陛下や皇族方は、公務のほかにもご進講という形で専門家や行政官らから話を聴く場があり、日頃から教養と知識を深めている。
「日本の象徴である天皇陛下と、おそばにいる皇后さまは、海外を訪問し、また来日する王族や賓客を接遇して親交を深めることも重要なお役目です。一般的論ではありますが、そうした機会に、私ども研究者の話が少しでもお役にたてば,という思いでお話しさせていただきました」
と、矢野さんは言う。
昨春に社会人となり、公務の機会が増えてきた愛子さまも、海外の賓客を招いての晩餐会や茶会、そして初めての海外公務など、国際親善の機会がこれから増えてくると見られる。
そんな愛子さまに「講書始の儀」で向き合った矢野さんは期待を寄せる。
「愛子さまは、学ぶことを楽しんでおられるご様子でしたし、堂々とした雰囲気はプリンセスにふさわしい方だという印象を受けました。ご活躍が楽しみです」
(AERA dot.編集部・永井貴子)