麻生氏による石破首相へのあてつけ?
「麻生さんはアメリカ大統領選前の24年4月、トランプ氏の元に駆けつけて会談しています。麻生さんは鋭い嗅覚で、だいたいトランプ氏が勝つなというのをつかんでいたのではないか。もともとパイプがあったようですが、その会談でさらに関係を深めたのでしょう。昭恵さんを先にトランプ氏に会いに行かせたのは、石破さんへのあてつけだろう」
だが、角谷氏は異なる見解を示す。
「麻生さんはトランプ外交に顔が利くところを見せたいかもしれないが、昭恵さんの訪問に関しては、トランプ氏側は外交だとは思っていないでしょう。というのも、面会後にメラニア夫人はSNSで『私たちは亡くなられた安倍元首相をしのび、素晴らしいレガシーをたたえました』というコメントを投稿していましたが、トランプ氏の投稿はありません。つまり、これが示すのは、極めてプライベートな夕食会だったということです」
一方で、昭恵さんが先陣を切ってトランプ夫妻に会いに行ったことで、旧安倍派が再び勢いづくことはあり得るのだろうか。
「それはないでしょう。先の衆院選では、昭恵さんが応援に駆けつけた安倍チルドレンたちも落ちまくっています。旧安倍派5人衆のうち、落選したのは高木毅元国対委員長だけですが、当選した4人もすでに安倍派幹部というよりも“裏金議員”として国民に認知されてしまったので、しばらく復権は難しいでしょう」(角谷氏)
昭恵さんの夕食会の翌日(16日)、ソフトバンクグループの孫正義社長もトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」で会談した後、一緒に会見を行った。
世界中のリーダーや実力者がトランプ氏との面会を求めているが、石破首相はトランプ氏の当選直後に5分間の電話会談をしただけで、いまだ直接の会談は実現していない。いわゆる「安倍一強」時代と比べ、石破政権は少数与党ゆえ、トランプ氏の心象もまた違うものになっているのかもしれない。ただ、角谷氏は石破氏とトランプ氏の“共通点”を挙げる。
「石破さんもトランプ氏もクリスチャンで、実はプロテスタントの『カルヴァン派』で、宗派が同じなんです。その共通点をうまく活用すれば、案外、親しくなれるのではないかと思います」