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法律を変えるのは難しい。
でも、身の回りで起きていることに疑問を投げかけること、声を上げることは私にもできる。

だから私は声を上げようと思う。
今年の人事面談では言えなかった。
結婚の予定はありますかという問いに、「いいえ」とただ答えた。
人事担当者にうるさいやつだと嫌われて、あの支店に飛ばされるのが怖かったからだ。

でも、次はこう返そうと思う。

「結婚の予定はありませんが、大切な恋人はいます。彼とある程度近い距離にいたいので、今は異動に応じることはできません」と。

黙っていても、自分の置かれた環境を誰かが変えてくれる訳じゃない。だから、声をあげる。そんな積み重ねで、今の社会も成り立っていると思う。
日本の婚姻制度も少しずつ変化はしている。現に、今年の4月から女性の再婚禁止期間が廃止された。少しずつだが、上げられた声から社会は変わっている。
 

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10年後、私は40歳目前、社会はどうなっているのだろう。夫婦互いに名前を変えずに済んだり、同じ性別だろうと夫婦になれていたらいいな、誰かが取りこぼされない世界に近づいていたらいいなと思う。その道のりはまだまだ険しそうだ。でも私はあきらめない。
 

「AERA dot.」鎌田倫子編集長から

とかく便利に使われがちだった自分の20代の頃を思い出しました。

「結婚」がカードになりうるのは、今も昔も変わらない状況なんですね。我慢することよりも、声をあげることを選ぼうとしているのは頼もしいです。

10年後に向けた第一歩ですね。
 

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