「最近、自分のなかで本ブームがきている」と語る崎山蒼志さん(撮影/小財美香子)

 最後に、崎山のお気に入りの本を紹介しておこう。

「中学生の頃に読んだ星新一の『午後の恐竜』はすごく印象に残ってます。いきなり恐竜が現れて、それがどんどん進化して、人間が登場して。しかもそれには実態がなくて、立体映像なんです。何かと思ったら、地球が見ている走馬灯だったというストーリーなんですが、リアルと想像が混ざっているのがすごく面白いなと思っていました。最近買ったのは、『世界で一番美しいマンダラ図鑑』、ハン・ガンさんの詩集(『引き出しに夕方をしまいこんだ』)、朝井リョウさんの新作『生殖記』。最近、また自分のなかで本ブームがキテるのかも(笑)。そう言えば京極夏彦さんが〈読もうが読むまいが、いいと思った本を手元に置いておくだけで人生は豊かになる〉と言っていて、自分もそう思ってた!とうれしくなりました。僕の本はぜひ読んでほしいですけど(笑)」

(取材・文/森朋之)

さきやま・そうし/2002年生まれ静岡県浜松市出身。シンガー・ソングライター。15歳のときに出演したインターネット番組「日村がゆく!」の企画「高校生フォークソングGP」で注目を集める。2018年12月にファースト・アルバム『いつかみた国』を16歳でリリース。2021年1月にアルバム『find fuse in youth』でメジャー・デビュー。同年、Amazon Primeドラマ『賭ケグルイ双(ツイン)』主題歌「逆行」、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第5期第2クールエンディングテーマ「嘘じゃない」などを立て続けにリリース。2022年にはフジテレビヤングシナリオ大賞ドラマ『瑠璃も玻璃も照らせば光る』主題歌として「My Beautiful Life」を書き下ろした。2023年7月にTVアニメ『呪術廻戦』「懐玉・玉折」のエンディングテーマ「燈」を担当、ストリーミング再生数は1億回を突破した。

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