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「ゴッドタン」などを手がけるプロデューサーの佐久間宣行さんと『地図と拳』で直木賞を受賞した作家の小川哲さんの豪華対談が実現。テレビや小説の話がメインになると思いきや、お互いの仕事術やサバイブの仕方で盛り上がり……。

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佐久間:小川さんは、執筆するときはゾーンに入るみたいに一気に書くんですか? それともちゃんと生活ペースを守りながら?

小川:書いていて楽しくなくなってきたら切り上げます。だから5分で終わるときもありますね。佐久間さんの『佐久間宣行のずるい仕事術』(ダイヤモンド社)を読んだときに一番共感したのは、大前提として仕事は楽しくやりたいっていうことなんです。もともと小説を書き始めたのも、組織の中で生きるのが嫌すぎたからなので(笑)。どうやったら組織に頼らずに生きていけるかって考えた結果が小説家になることだったんです。

佐久間:なるほど。

小川:小説家って僕が見てる限り、メンタル病んじゃうパターンって大きく2通りあって。もう書きたくないのに書いてる状態っていうのと、自信がない作品が世の中に出てしまってる状態。どっちも無理して出してるんですよね。そういう状態が続くと、小説書くのが嫌になるんだと思います。

佐久間:わかるなぁ。俺もGoogleカレンダーに仕事の予定を入れるときに色で分けるようにしてて、メンタルのしんどさで色分けしてる(笑)。集中力が必要なものほど濃い色にして、1週間単位で見て、「今週ちょっと濃い色多いな」と思ったら、楽しい予定を入れる。それも色を決めておいてね。ヒートマップみたいな感じで1週間の予定のバランスを取るようにしてるんですよ。

小川:創造的なものとか頭を使うものって集中してパワーをうまく振り分けないとできないですよね。

佐久間:書くことで食っていけるな、と思ったのはいつぐらいですか?

小川:2作目(『ゲームの王国』早川書房)が出て、1週間後ぐらいです。

佐久間:その反響で?

小川:仕事の依頼が殺到したんです。だから10年ぐらいは大丈夫だろうとそのときに思いました。

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