歌舞伎俳優の市川團十郎さん=2023年10月
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 8日放送の「日曜日の初耳学」(TBS系・午後10時)では、歌舞伎界きっての大名跡を襲名し、伝統のど真ん中で生きる十三代目 市川團十郎 白猿が出演する。歌舞伎を辞めようと思った学生時代、歌舞伎に「自分の人生を懸けてもいい」と思えたきっかけとは?愛する家族、「いろんなものが変えづらい」という歌舞伎界への思いを明かす。そんな彼の過去の注目記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年5月2日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。

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 4月4日に配信された、歌舞伎俳優・市川團十郎さん(46)とベテラン芸能リポーターとの「取材会」(会見)でのやりとりの動画が、約1カ月経った現在、視聴再生数が110万回を超えている。5月の歌舞伎公演についての会見だが、動画のタイトルには、團十郎さんが「失礼な質問をする記者に激怒!?」とあり興味を引く。ただ、動画を見る限り、少なくとも激怒している様子には見えない。何が起きていたのか、質問した本人に聞いた。

 会見は、5月2日から東京・歌舞伎座で開演する「團菊祭五月大歌舞伎」についてだった。そのときの模様が、オリコンのユーチューブチャンネルで、

「市川團十郎、失礼な質問をする記者に激怒!? 『不勉強だね』 歌舞伎座『團菊祭五月大歌舞伎』市川團十郎取材会」

 とのタイトルで動画配信されると、5月1日現在で視聴回数が110万回を超え、なおも増え続けている。

「失礼な質問をする『記者』」という不名誉な呼び方をされたのは、芸能リポーターのIさん(77)だ。

 そもそも、Iさんは会見にはどのような経緯で参加することになったのか。

「前日、テレビ局の朝の情報番組の担当者から『Iさん、行って下さいよ』という依頼があったんです。初めは私でいいのかとちゅうちょしたのだけれど、『そんなこと言わないで行ってちょうだいよ』と背中を押されたので、行くことにしたんです」 

「横の人に聞いて」

 Iさんによれば、会見では一番最初に質問したという。

 動画を見ると、Iさんと團十郎さんでこんなやりとりがあった。

「團十郎さんがね、1人で会見するっていうのは本当に久しぶりじゃないですか?」

「いや、そんなことないですね」 

「何となく、こっちの思い違いかもしれませんけど……」 

「思い違いだね、はい」

 と笑みを浮かべて團十郎さんが言うと、会場には笑いが起きた。

 さらに、Iさんが、

「いつもお子さんが2人いるっていう印象があるんですけど」

 と尋ねると、

「いや、そうでもないよね。いや、横に聞いて」

 と團十郎さんがIさんの横にいた女性リポーターに手を向けると、そのリポーターは、

「1人でやられています」

 と答え、再び会場は笑いに包まれた。 

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女性リポーターへの対応と差