酒井美紀は「社外取締役」に
また、テレビ朝日時代にバラエティー番組「くりぃむナントカ」や夕方のニュース番組「スーパーJチャンネル」など幅広いジャンルで活躍していた元アナウンサーの大木優紀さんは、21年に同局を退社し、翌年に旅行会社「令和トラベル」に入社している。
「大木さんは、『令和トラベル』創業者の篠塚孝哉氏がnoteに記した文章を見て、『この事業は、絶対成功する!』と確信して転職を決めたようです。大木さん自身、『もう一つの人生の扉が見えてしまったから、開けないで引き返すことはできませんでした』と自分のnoteに記しています。入社後はアナウンサー時代の経験を活かしながら社内外へのPR活動をメインに担当。現在は執行役員となり、YouTubeやTikTokを運営する動画コンテンツチームや社内のコミュニケーション活性化を担うカルチャーチームを統括しているようです」(同)
また昨今の流れとして、企業が有名人を社外取締役に迎える動きも広がっている。そこで白羽の矢が立ったのが、女優やアナウンサーたちだ。
1996年にドラマ「白線流し」(フジテレビ系)のヒロインでブレークした酒井美紀は洋菓子メーカー、84年の「不良少女とよばれて」(TBS系)など女優として活躍したいとうまい子は不動産会社や教育会社、フジテレビアナウンサーから弁護士に転身した菊間千乃氏は商社やバルブメーカーでそれぞれ社外取締役に抜擢されている。
「あまり知られていないところでは、『亜麻色の髪の乙女』で国民的な人気を博した歌手の島谷ひとみは音楽活動を続ける一方、21年にコロナ抗原検査サービス会社の社外取締役に就任しています。ワクチン接種記録アプリの発表会で、サービスや概要のメリットをマスコミに説明する大役を担ったこともありました。ただ、昨年3月の『デイリー新潮』にて同社社長の投資トラブル報道が飛び出し、広告塔だった島谷の名前がネガティブな形で世に発信されてしまいました」(音楽関係者)
今年5月に30歳の誕生日を迎えたことを機に、自身初となるデジタル写真集「151センチ、48キロ」を発表したのはお笑いコンビ「にゃんこスター」のアンゴラ村長だ。写真集ランキングで軒並み1位を記録し、大きな話題となったが、そんな彼女は実はIT企業の現役会社員でもある。
WEBサイトのインタビューで語ったところによれば、今は広報課にいて新卒採用向けにTikTokを撮影したり、SNSの運用を担当。新卒の学生への説明会に参加することもあるそうで、仮に芸人としての仕事がなくなったとしても働き口がキープされているのは、本人とすれば安心かもしれない。
華々しいスポットライトを浴びた経験やメディアにいた視点を持つ彼女たちのセカンドキャリアは、まったく違う業界に新たな価値を生み出していきそうだ。
(泉康一)