3月の練習試合では本塁打を放った坂本勇人だが……
3月の練習試合では本塁打を放った坂本勇人だが……

 投手の球威も上がり、打者もパワーアップが著しい野球界において、ベテランが主力を張るチームは苦しいと指摘したこともある。ただ、すぐに世代交代せよと言っているわけではない。ベテランにはベテランの働き方がある。若手が躍動するなかで、何かあったらすぐに頼りになる存在。坂本には最低限、その状態に戻してもらいたい。

 原監督は、坂本の復調を信じながら勝利を積み重ねていくはずだ。どのチームも序盤はそんな戦いになる。チームは生き物。勝負どころの夏場まで、首位に離されない位置を保ちながら、チーム力を高めていき、投打の歯車を合わせていくものだ。原監督がこれから坂本をどうやって起用していくのか、注視したい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2023年4月21日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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