「ユーチューブが老後の楽しみ」
その点、「今回の知事選でテレビより優位に立っていたメディア空間」として鈴木氏が注目するのが、斎藤氏擁護を前面に打ち出した、とある保守系YouTubeチャンネルだ。「兵庫県知事選挙の真実」をテーマにした配信回では、装飾のない会議室が映し出され、ゲストに招かれた「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が淡々と持論を展開していた。
動画のコメント欄には、
「80代のおばあさんです。新聞辞めました。もうだいぶ以前にです。テレビも辞めたいと思っています。~中略~ 残り少なくなってきた人生、しっかり情報収集に努めて勉強していきますわ」
「私も78歳すぎましたがユーチューブがこんなに面白いとはついつい時間がたってしまいます。老後の楽しみが増えました」
といった高齢者からの好意的なコメントがいくつも寄せられていた。
まだまだ好奇心旺盛だが、情報過多なテレビ番組を見たり、文字びっしりの新聞や本を読んだりする知的体力は残っていない……。そんな高齢者たちにとって、動画や短いテキストを自分のペースで消費できるSNSは、実は親和性が高いメディアなのだろう。
だが言うまでもなく、ネット上の情報は玉石混交だ。冒頭のXのポストのように、高齢の親がネット上の真偽不明の情報を信じてしまったり、政治的信条の違いによって親子関係に亀裂が生じたりした場合、子ども側はどう対処すべきなのだろうか。