2009年のWBC決勝では日本が韓国を破って優勝した

年長者の言うことに振り回される選手たち

 また、前出の球界OBは「韓国の指導システムにも問題がある」と指摘する。

「韓国は年長者の言うことが絶対という空気がある。数年前に韓国のチームで指導した時は年配のコーチが『自分の言うことを聞かないと起用しない』と公言していたことに驚きました。こういった指導法は選手の自主性がはぐくまれないし、結果が出ないとコーチのせいにする。コーチが変わるとまたフォームが変わるのでなかなか成長しない。素材はいいのに、指導者の言うことに振り回されて伸び悩んでいる選手を何人も見てきました。選手層を厚くするためには、こういった点を見つめ直す必要があると思います」

 日本のプロ野球もかつて、コーチが指導で自身のやり方を押し付け、優秀な選手が1軍で活躍できないまま表舞台から消えてしまうことが珍しくない時代があった。だが、米国や中南米の指導法を参考にすると共に、科学的トレーニングを積極的に導入することで、選手に対する指導者のアプローチがプロのみならずアマチュアでも変化している。

 先の球界OBは、「韓国でも若い指導者が増えて指導法も徐々に改善されていると聞きます」と言う。改革は一朝一夕ではなしえない。韓国は野球強豪国に返り咲けるだろうか。

(今川秀悟)

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