「井上一樹監督も調子次第でのスタメン起用を考えているはず」(中日関係者)と新指揮官の期待も大きいという。現時点では一塁起用が考えられるが、若き主軸候補の石川昂弥、今季結果を残した助っ人のカリステ、下位指名ながら成長著しい福永裕基などライバルは多い。「ダメな人間が切られていく世界」と中田自身も語るが、今まで以上の覚悟が求められる年になりそうだ。
田中も来季は完全に“崖っぷち”と呼べるシーズンとなる。昨年10月に右肘を手術、プロ18年目の今季は開幕からファームでの調整が続き、一軍登板は9月28日のオリックス戦(楽天モバイルパーク)での1試合のみ。プロ入りしてから初めてシーズン未勝利に終わった。
「手術の経過は良好で今春キャンプも一軍に帯同していた。しかし焦りがあったのか、ペースを早めたことでコンディションが崩れ予定に狂いが生じた。年齢と手術箇所を考慮しつつ調整を続けていたのですが……田中本人が一番悔しいはず」(楽天関係者)
唯一の一軍登板となったオリックス戦も5回6安打4失点で精彩を欠いて敗戦投手となった。真っ直ぐが走らず制球にもバラツキが見られ、「絶対投手」と呼ばれた以前の面影は全くなくなっていた。
「かつては力勝負が主だったがメジャー挑戦後はボールを動かすスタイルになった。生命線となる真っ直ぐの球威とキレがないので他の球種が生きない。理想と大きくかけ離れているので、常にストレスを感じているような表情も気になった」(楽天OB)
2021年の楽天復帰後は4年連続負け越して20勝33敗と期待とは大きくかけ離れた成績となっている。しかし球団初の日本一となった2013年には24勝0敗を記録するなど、チームの大功労者。通算200勝まであと3勝に迫っていることもあり、「まずは、そこまで頑張って欲しい」という声は関係者を含め多い。
「他球団へのトレードという噂も聞くがありえない。田中ほどの大投手が200勝を達成すれば話題性抜群、観客動員やグッズ収入を含めた有形無形のプラスになる。楽天球団は絶対に自チームで達成して欲しいはずで、そのためにも復活が望まれる」(スポーツマーケティング会社関係者)