スマホを見ながらランチタイム。一般的な風景になったが…(写真はイメージ/gettyimages)
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 一人で食事をしている10~20代の8割が、「スマホを見ながらメシ」をしている――。先日、こんなニュースが話題になった。スマホ全盛の現代らしい食事スタイルとも言えるが、そんな客に苦慮する飲食店もあるようだ。「スマホ見ながらメシ」は罪なのか。

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ランチ時は「スマホ禁止」

 東京都心のとある居酒屋では、ランチ営業時に店内でスマホを使用することを禁止するルールを設け、掲示している。

「和洋のボリュームのあるランチが人気で、平日の昼時はいつも満席。行列ができることも少なくない」(常連客)

 無視してスマホを眺めている客がたまにいるが、店員が気付くときっちり注意されるそう。

 店主はこう話す。

「食事をお出ししているのに、時間をかけて何枚も写真を撮ったり、何を見ているのか分かりませんが食事中もずっとスマホを眺めて非常にゆっくり食事をされるお客様。食事がすんでいるのにスマホをいじりつづけてなかなか席を立たない方もいました。食事中までスマホを見る方は、コロナ禍前はほとんどいなかったように思うのですが…」

なぜそこまでしてスマホ?

 店主によると、列に並んだ客がいら立ち、こうした客を注意するように要請されたことが、過去に複数回続いたそう。

「店としては回転率が下がるので、ランチ時の売り上げに影響すること。それ以上に、うちは忙しいサラリーマンのお客様が大半なので、待たされる店、にするわけにはいかない。そんな事情で禁止させていただくことにしました」

 店主はそう説明しつつ、なぜそこまでしてスマホが見たいのかと、複雑な表情だ。

「ランチにおいしいごはんを食べて、さあ午後も頑張ろうって思っていただきたいので、一生懸命作っているのですが、スマホを見ている方はどんな気持ちで食べているんでしょうか」

若者の8割が「スマホ見ながら飯」

 味の素の調査では、一人で食事をする際、「スマホを見ながら飯」をしている人は10-20代で77・5%と高く、30-50代でも48・6%とほぼ半数に及んだ。

 先の店主の言うように、食べる時間も実際に遅いようだ。

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回転率が重要な飲食店もある