深刻な表情のヘンリー王子とメ―ガンさん
イギリスのロイヤルファミリーの動向が人々に好意的に受け入れられている中、やはり気になるのは、アメリカのヘンリー王子(40)とメーガンさん(43)夫妻だ。キャサリン妃が公務に久しぶりに登場するとあって「何かを重ねてくるのでは」と予想されたが、やはり姿を見せた。追悼記念行事の前日に2人並んでビデオメッセージに顔を出したのだ。
カリフォルニア州の自宅と思われる場所で、二人とも正面を向き深刻な表情である。服装もほぼおそろいで、胸にイギリスの戦没者追悼のシンボルである赤いポピー(けしの花)をつけた。ただテーマは追悼ではなく、ネット時代に子どもたちの安全を守る重要性についてだった。
2人は、子どもをSNSなどから守る意義を訴えたが、今回もまた「ワードサラダ(word salada)」、つまり、さまざまな具材を混ぜたサラダのように単語一つ一つは正しいがつながりを持たず、意味が破綻している状態だと批判されてしまった。
英王室は「ヘンリー王子奪還作戦」
そんな“相変わらず”な2人だが、このところ、メーガンさんはパニックに陥っているといわれる。それは、英王室が進める「ヘンリー王子奪還作戦」によって、ヘンリー王子が一人で王室復帰してしまうのではないかとの不安から来るのだろう。
メーガンさんはこれまで、ヘンリー王子に「2人にとってのベストは英王室を忘れること」と説得してきた。そして、ヘンリー王子が自分と英王室のどちらかを選ぶ状況に陥れば、「必ず私を選ぶ」と自信を持っていた。
ヘンリー王子に「ドアは大きく開いている」
だが、英王室のチャールズ国王は、ことあるごとにヘンリー王子に「ドアは大きく開いている」と繰り返しているし、キャサリン妃は時々ヘンリー王子に気遣いのメッセージを送ってくる。メーガンさんは「キャサリン妃からのメッセージを受け取るたびに、夫は気持ちが王室に傾く。まるで私たちの仲を裂こうとするかのようだ」といらだっているという。
キャサリン妃は、フィリップ殿下の葬儀の際にも、ウィリアム皇太子とヘンリー王子の和解のきっかけになるように兄弟が話す機会を作っている。ジョージ王子(11)とアーチー王子(5)という次世代のためにも、確執は早く解消すべきと考えているという。だが、メーガンさんは、ヘンリー王子を通じて「メッセージを送るのを止めてほしい」と強く訴えているそうだ。
だが、英王室の高齢化の状況から、ヘンリー王子の王室復帰を望む声が今後高まる可能性は大いにある。ヘンリー王子をアメリカにとどまらせるために、メーガンさんは早々に次の手を打たなければいけないだろう。
そんな中、先日の米大統領選では、トランプ大統領の返り咲きが決まった。トランプ前大統領は「ヘンリー王子を守る気はない」「メーガン妃のファンではない」と発言していることから、今後の2人のアメリカ生活はそう明るくはないとみられる。
それでもメーガンさんは「私を踏みにじり、ないがしろにして、自分だけ王室に戻ることは絶対に許さない」と誓っている。
(ジャーナリスト・多賀幹子)
*AERAオンライン限定記事