卓球において、はかりしれない努力をしてきた(撮影/朝日新聞出版写真映像部・上田泰世)

「知り合いのプロトレーダーが1日何億円勝った、何億円なくなったなどと話していたんです。『そんな世界があるのか』と思い、やってみたら楽しかった。

勝つのが難しい世界というところに引かれました。投資信託は買わず、個別株に投資しています」

「一番難しいから卓球を選んだ」のと似た理由で投資をはじめたわけだが、卓球と違って「株式投資でも連戦連勝」というわけにはいかないようだ。

「今は勉強中です。失敗もかなり。全部が授業だと考えて、損をしても授業料だと割り切っています。

中長期で持っている銘柄はプラスですが、時を戻せるならデイトレードはやめようと思います。

NISA? 旧NISA口座に現物株が入っていますが、新NISA口座はまだ使っていません」

水谷さんの年収

 お金の話になったので、聞きにくいことを尋ねた。卓球選手って儲かるんですか?

「(まず、笑う水谷さん)小金持ちが多い、と僕は表現しています。うーん、年収2000万円前後の人が多そうな? もちろん、人によるとは思いますが」

 スポーツ選手といえば、種目と自身の勝率によっては暮らしが厳しくなる場合もあると聞く。水谷さんが言ったこの数字(推定)が卓球人口の増加につながればいい。

 水谷さん自身も、数千万円……?(語尾が小さくなりつつ質問)

「僕は2016年あたりからずっと年収1億円を超えていたので、自分でも驚いています」

 さすが、トップ中のトップ。収入もトップクラスであった。

「マイナー競技では、金メダルを取っても年収1億円はいかないかもしれない。自分を露出していくことも大事です。

卓球で金メダルを取った日本人は、僕と伊藤美誠(みま)選手だけです。

現役時代にスポンサーがついてくださり、海外リーグでプレーしたことによる収入もありました。感謝しています」

 水谷さんの目下の楽しみはゴルフ。現役選手時代はケガを恐れて自粛していたアウトドアスポーツである。トップアスリートの競争心は趣味のゴルフにも。

この記事が丸ごと読める「AERA Money 2024秋冬号」はこちら!
次のページ
ゴルフと株の共通点は