先のA氏が言う。
「大阪3区も、当初の情勢調査では競り合いの勝負だと手ごたえがあった。しかし、自民党の裏金事件と、投票日直前に出た非公認候補への2千万円のニュースが大きかった。『公明党も自民党と一緒に裏金か』と街頭でも言われ、悪いイメージが一気に広がって維新に情勢が傾いた。兵庫の2議席でなんとかメンツを保って、本当に救われた。小池知事のおかげだ」
「自民も公明も小池知事には逆らえない」
一方、今回の衆院選での応援は、小池知事にとっても大きな“成果”となったようだ。
小池知事は、公明だけでなく、裏金事件に関与して無所属で戦った萩生田光一・元自民党政調会長(東京24区)や自民党の木原誠二・元官房副長官(東京20区)らの応援にも入った。萩生田陣営では、小池知事の声で萩生田氏への投票を呼び掛ける自動音声電話も導入し、選挙区内に電話をかけていた。
自民党の都議はこう話す。
「小池知事が応援に入った萩生田氏、木原氏も逆風の中、小選挙区で当選を果たした。これで自民党も公明党も小池知事に足を向けて眠れません。都政運営の観点からみても、自民、公明は小池知事に借りができたので、何も逆らえないでしょう。それに、来年の夏には参院選と同時期に都議選があります。自民、公明とも小池知事と協調してやるしかない」
聴衆を集めて「小池劇場」ともいえる選挙応援を繰り広げ、足場を固めた小池知事。自公が過半数割れで大敗した衆院選で、役者の違いを見せつけたといえそうだ。
(AERA dot.編集部・今西憲之)