インデックス型投資信託(以下、投信)の2大人気商品が全世界株式とS&P500。SNSなどでは「どちらにするのが正解か」という論争が果てしなく繰り広げられている。「決められないから半分ずつ買っちゃおう」という人もけっこういる。本記事では「半分ずつ買うと、中身の比率はどうなるか」を検証。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】
【図6点】「全世界株式オルカンとS&P500を半々で買うと比率はこうなる!」の図はこちら
全世界株式vsS&P500
「全世界株式とS&P500、どっちにするか迷うぐらいなら半分ずつ両方つみたてれば」
「いやいや、両方を半分ずつ買うなんて分散のバランスが崩れて意味がない」
「米国株比率が壊れる」
こうしたネット上の議論はさておき、実際に全世界株式とS&P500を半分ずつ買っている人はどれくらいいるのだろうか。
楽天証券IR・広報室長の松﨑裕美さんに取材すると、人数は教えてもらえなかったが「当社専売の『楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド』と『楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド』を両方買っているお客さまはいらっしゃいます」とのこと。
「2本を半分ずつ買うと米国株の比率が上がります。意図的に『それでもいい』と考えるようなら両方への投資も問題ありません」
両方買うことで、組み入れ上位銘柄や構成比率、国の比率がどう変化するのか気になる。それと、全世界株式とナスダック100を半分ずつ買った場合も知りたい。
三菱UFJアセットマネジメント商品プロモーション部の栗野息吹さんに正確な検証を依頼した。
まず、三菱UFJアセットマネジメントの人気シリーズ「eMAXIS Slim」の「全世界株式(オール・カントリー)」(以下、全世界株式)、「米国株式(S&P500)」(以下、S&P500)、米国のハイテク株が主体の「eMAXIS NASDAQ100インデックス」(以下、ナスダック100)をそれぞれ単独で買った場合の組み入れ銘柄トップ20と組み入れ比率を表にまとめた。