「ナスダック100はハイテク株指数とも呼ばれます。ここにS&P500を半分混ぜると、テック系企業の比率がマイルドになります。ただ、その度合いは『お気持ち』程度です」(栗野さん)

米国株以外は半分に

 次に、みんな大好き全世界株式とS&P500に半分ずつ投資すると? 混ぜることで米国株比率は80.35%まで上昇。

 全世界株式だけだと組み入れ銘柄20位以内に入っていた台湾セミコンダクター(TSMC)やデンマークの製薬会社ノボ・ノルディスクが姿を消し、銘柄トップ20は米国企業一色になる。

「組み入れ1位は現在アップル。全世界株式だけだと4.26%、S&P500だけだと6.95%ですが半分ずつ買うと5.61%になります。

 全世界株式はまんべんなく中庸に、日本や欧州、新興国などにも分散投資するのが特徴。そこにS&P500を半分混ぜることで米国株比率が約80%まで上がる。逆に日本株、英国株、中国株などの比率は約半分に減ります」

 全世界株式とナスダック100を半分ずつ買うと、アップルの比率は6.68%まで上昇。ただ、全体の米国株比率は「全世界株式+S&P500」の80.35%より少し下がり、79.88%に(この図版は次のページにあります)。

「全世界株式とナスダック100を混ぜると上位のハイテク株の比率がS&P500を混ぜたときより上がります。ただ、銘柄数が100銘柄と少ないため、国別では『全世界株式+S&P500』より米国株比率が下がります」

バランスは崩れるか

 次の質問。全世界株式は世界中の株にバランスよく投資するための株価指数であり、時価総額加重平均(より規模の大きな企業の組み入れ比率が高くなる)を採用している。そこにS&P500やナスダック100を混ぜると、本来のベストバランスが崩れないか?

「時価総額加重平均はスタンダードな買い方ですが、絶対的な正解とまでは言えません。時価総額加重平均以外では、世界各国の国別GDP(国内総生産)に沿った買い方、日経平均株価やNYダウのように株価平均による買い方もあります。

 全世界株式とS&P500などを半分ずつ買うことで『バランスが崩れるというデメリットがある』とまでは言えません。合わせ買いで中身はこうなる、とざっくりわかっていれば問題ないでしょう。薄味が好き、濃い味が好き、といった感じで自由に組み合わせてください」

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