識者は「行き過ぎている」と指摘
廣瀬氏によれば、「特に今の30~40代においては小さい頃からさまざまなコンテンツに触れる機会があり、大人でもマンガやコンテンツを読むことが普通となった時代を歩んできた」という。そのためか、「プリキュア以外でも子ども向けアニメのグッズを身につけたり、アニメやマンガの缶バッジなどをバッグに大量につける大人ファンも珍しくありません」と話す。
「プリキュア自体は、間違いなくその対象は幼稚園や小学校に通う子どもですが、プリキュアに限らずわれわれ消費者は自身がそのターゲットでなくとも好きなモノ(コンテンツ)を消費する事が可能です。また、メインターゲットである子どもたちよりも、金銭的な余裕がある大人が、熱心にコンテンツを消費ができてしまうため、イベントなどでの熱量などにおいても子どもよりも目立ってしまう大人もいるわけです」
ただ、今回の場合は“行き過ぎている“部分もあるという。
「いくらその作品が好きで、自己満足として楽しんでいるとしても、本来は子ども向けに作られたコンテンツです。大人が子ども以上に盛り上がったり、保護者が子どもたちを連れていきにくい場所と感じるようであれば、『誰のためのコンテンツか』という根幹を揺るがしかねません。だからこそ、公式側も対策に乗り出すわけです。そのコンテンツが好きであるという思いは誰にも止める権利はありませんが、だれもが自由にそのコンテンツを消費できるからこそ、その好きなものが誰をターゲットにしているのかをいま一度よく理解する必要があります。その状況に合わせた行動で“推し活”をすることも、コンテンツに対する貢献につながると思います」
自由の中にも節度が求められるのは当然だろう。
(AERA dot.編集部・板垣聡旨)