横浜市で開催された「全プリキュア展」(=2023年12月)
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は10月22日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】プリキュア公式が出した大人ファンへの注意喚起はこちら

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 テレビアニメ「わんだふるぷりきゅあ!」のイベントをめぐり、公式サイトが大人ファンに注意喚起を行ったことが話題となっている。同サイトでは「奇声や大声を上げたり他のお子様に話しかけたりする事象」があるとしているが、ファンも「ごく一部が迷惑行為をしている」と語る。プリキュアのイベントで何が起こっているのか。実際にショーの現場を取材した。

「『わんわん』『にゃんにゃん』と大声で叫んだりするファンがいるんです。今作のプリキュアは動物がプリキュアに変身する内容なので、それを表現しているのかな。応援するのはいいんですが、自分の熱を伝えたいがために、近くに子どもがいるのに叫ぶのはちょっと違うと思う。また、決められたエリアの外から写真を撮る人もいる。ルールを守っているファンからすれば、非常に残念です」

 プリキュアのファンだという関東地方に住む30代男性はこう話す。男性はこれまで、数多くのプリキュアのショーに参加してきたというが、いまのショーには「違和感がある」という。

 テレビアニメ「わんだふるぷりきゅあ!」のイベント「わんだふるぷりきゅあ! ドリームステージ♪」の公式サイトは9日、大人のファンへ向けた注意事項を公開した。同サイトは、「本公演につきましてはコスプレをした状態の大人のお客様の、ご来館及びご観劇を禁止とさせて頂きます」と記載。さらに、「大人のお客様で、奇声や大声を上げたり他のお子様に話しかけたりする事象があり、その結果お子様が怖がってしまうケースが報告されております。皆様に楽しんでいただくために、特に大人のお客様におきましては、十分に御留意いただきますようお願い申し上げます」と訴えた。

 アニメ文化に詳しい芸能ライターによると、プリキュア人気は過熱気味だという。

「プリキュアは今年で20周年を迎え、全国でショーなどが開催されています。舞台では小さい子から大人まで楽しめるように作られているので、大人のファンも多いのです。9月13日から公開されている映画も興行収入が9億を突破しており、キャラクターがステージに登場する舞台の総来場客数は1000万人を超えています」

 そうした人気のせいか、一部の過激なファンが暴走することもあるという。そこで、記者はショーの現場を訪れてみた。

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大声を出していた「大人ファン」に直撃