雅子さまが阿部選手、北口選手に投げかけたのは天気の話のようで、阿部選手は「天気よくて、よかったです!」と、この日で一番リラックスしたような大きな声で話し、北口選手もあのいつもの笑顔が弾けていた。さらに、阿部選手へ最後に雅子さまはこう伝えられていた。
「妹さんにもどうぞよろしく」
パリ五輪では涙の2回戦敗退だった、阿部一二三選手の妹、阿部詩選手へのひとことだ。招待者本人だけでなく、その家族である妹にまで声掛けをされる雅子さまに、西出氏は「本当に思いやりのある、真に心のある方だと、そのお心に改めて感動しました」という。
パリ五輪メダリストたちは10代や20代の若い世代の選手も多かったが、すんなり打ち解けて懇談されているのも印象的だった。
「雅子さまは、娘の愛子さまと同年代、もしくは年下の方たちとお話しになるときに“母の顔”が垣間見えていらっしゃいましたね。今回の園遊会でも雅子さまの会話の中には、気配り、思いやり、優しさが満ちあふれていらっしゃいました。報道を見ている私たちも思わず表情が柔らかくなるほど和やかな気持ちになれるのは、雅子さまの全方位への気配りからなるお言葉や表情、振る舞いだと思います」(西出氏)
雅子さまの全方位への気配りは、招待者たちのはじけるような笑顔を引き出していた。(AERAdot.編集部・太田裕子)