28歳ごろの斉藤由貴

不倫のきっかけはダイエット?

 自分がそういうタイプの人間である以上、信仰などを活用してうまくバランスをとっていくしかない、という人生観が見てとれる。

 実際、この翌年、彼女は同じモルモン教徒の一般男性と結婚。3児の母となり、しばらくは平穏な家庭生活を続けていくわけだ。

 ただし、モラル=健全の側に安住し続けられる人でもないので、子育ても落ち着いてくると、また、インモラル=退廃の側へといざなわれるようになる。きっかけは、ダイエットだ。

 2012年に父親から「背中が丸いな」と言われたことから、3ヶ月で11キロ減量。これにより、アイドル時代の清純な芸風、結婚してからのコミカルな芸風に続き、悪女っぽい芸風も身につけ、女優としての活況をまた呈していくのである。

 注目したいのは、開業医との不倫もこのダイエットのあたりから始まっていたこと。彼女は「女優業」について「空気のようなもの。吸わないと死んでしまう」と語っているが、女優としての高みを目指すうえでこの不倫が必要だったのかもしれない。そしてしっかり、芸や作品につなげたわけだから「生産的な不倫」ともいえる。

 そういえば、彼女らしいエピソードとして、高2のとき、間違えて別の高校に行き、遅刻したというのがある。自分が通う公立高校と制服が似ていた近所の女子校にいつのまにかたどり着いてしまっていたそうで、その話をじつに楽しそうに語っていた。

 おそらく、迷うことが好きで、そんな自分を楽しめる人でもあるのだ。これまでの不倫が「生産的」であることに加え、そんな「迷子キャラ」のようなものもなんとなく伝わるからこそ、世間も彼女には強く当たらないのではないか。つまり、世間も彼女についてかなり学んでいるわけだ。

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思い切って「悪女」から「聖女」へ?