11月には、特別国会で首相を指名する「首班指名」の選挙がある。ここで、自民党が「石破茂」と一致結束して投票できるのかがカギとなる。
次の首相候補とも言われ、9月の総裁選で石破首相と争った高市早苗氏は、自身の当選の記者会見で新党結成について聞かれ、
「自民党に支えられて当選した。そのような考えはない」
などと述べ、自民党から首相の座を目指す考えだ。
石破首相の後釜には安定感がある林芳正官房長官、加藤勝信財務相ら、現職閣僚の名前もあがっている。
「石破おろしの声は確実に大きくなっている。高市氏をはじめ、石破氏の後を狙う人がいるからでもある。一番の有資格者は高市氏でしょう。林氏、加藤氏でもいいが、とにかく石破首相じゃもたないという雰囲気。それに、過半数割れして負けたのに石破首相のまま、という状況が続くとさらなるマイナスイメージとなる。来年夏の参院選でも過半数を切るのでは、と危惧する声が多々ある」(前出のA議員)
河村たかし氏「めったにないチャンス」
一方、前回より50議席増、148議席となった立憲民主党の野田佳彦代表は、
「自民党が過半数割れしたならば、他の野党と誠意ある対応をし、政権交代を目指す」「首班を取りに行くのが当然だと思っております」
などと野党でも大きなうねりがみられる。
1993年の衆院選で自民党が過半数割れすると、日本新党の細川護煕氏を首相とする、非自民、非共産による8党の連立政権が誕生した。今回の衆院選でも、立憲民主党だけではなく、国民民主党が28議席、維新は38議席を獲得。参政党、日本保守党も衆院でははじめて議席を確保した。
日本保守党で唯一、小選挙区で勝った前名古屋市長の河村たかし氏がこう話す。
「うちの党は、自民党ではダメだ、としてスタートしている。それが評価されて小選挙区と比例区で3議席をいただいた。連立となれば、当然、話は聞かせていただく。自民党が過半数割れなんてめったにないチャンスです」