
「阿部サダヲさんは“チャッピー小林”の世界にあわせて、“アベィ・サディ”という強烈なキャラクターで現れてくれて。すごく楽しく共演させていただきました。小泉さんにはステージの構成や照明、音のバランスなど細かいところまでみていただいて。ご自分のコンサートの演出も手掛けていらっしゃるだけあって、本当に頼りになりました。なにより、誰よりも楽しんで、盛り上がってくれるんですよ。こちらとしてもすごく安心できたし、たくさん勇気をいただきました」
「最初は『どうなるんだろう?』と思っていましたけど、やってみたらびっくりするほど楽しくて。1回限りだからそう思えたのかもしれないですけど(笑)」と初めてコンサートの手ごたえを笑顔で話す小林さん。50代になってからピアノを習い始めるなど、芝居と同じく、音楽とも自然体で付き合っているようだ。
「ピアノを弾くようになって『すごいピアニストも最初からうまかったわけではなくて、練習を重ねて少しずつ上達したんだな』とあらためて思うんです。私の進歩はかなり遅いですけど(笑)、それでもちょっとずつ弾けるようになって。俳優の仕事もそうですが、表現には完成がない、終わりがないなと思いますね」
(取材・文/森 朋之)
