和田靜香さん(撮影/朝日新聞出版写真映像部・和仁貢介)
和田靜香さん(撮影/朝日新聞出版写真映像部・和仁貢介)

日常と地続きの政治を変えるには、選挙しかない!

和田:私はもともと、政治に興味がなかったわけじゃないんです。「政治を変えるには選挙しかない。だからみんな、選挙に行こうよ!」って呼びかける、「選挙ステッカー」という運動を2013年に始めました。でも肝心の政治のことはぜんぜんわかってなかった。それに私自身、選挙に行かなかった時期もありましたよ。バイトに忙しくて余裕がないとか、朝、バイト行く前に選挙行こうと思ったのに、ものすごく疲れてて朝起きられなかったとか。でも今では、そういう人こそ行ってほしいって心から思うんです。そのころの私って絶望してばかりで、よくないけど、毎日「死にたい」が口癖になっていました。それが「いや、私、死ななくてもいいんじゃないか? そうか、これってわたしのせいじゃない。政治で変えていくべきことであって、私が自力で変えられる話じゃないんだ」ってわかってきた。そんな風に思えるようになったことが、この本を作った一番大きな成果だと思う。だからほんと、みんなにもそう思えるようになってほしい。

安田:これは「和田靜香」の物語であると同時に、政治参加のきっかけとして、たくさんの人に届いてほしい。政治って難しそうでとっつきにくいって思われがちだけど、そうじゃないんです。自分の物語なんですよ。社会に対して「クソむかつくよな!」っていう思いこそが、政治を変える。「あの偉そうなやつ、ひっくり返さなくちゃ世の中よくならない」とか、「貧乏なんだから金よこせよ!」っていう思いが、原動力になる。

和田:自分の1票なんて、大した力じゃないと思ってる人に「それでも選挙に行かなきゃ、政治は変わらないんだよ?」って言うと、今度は「間違って変な人に入れちゃったりしたら、取り返しがつかない」「失敗したら怖い」って言うんです。失敗したっていいんですよ。あなたの1票は1億分の1にすぎない。たかが1票。されどすごく貴重な1票。もし「やべぇ、とんでもない奴に入れちゃった!」と思ったら、次はもうちょっと政策を読むとかしてみたらいい。失敗は、だいじな一歩になります。

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