「光と音のショー」の終演後は、遠くにウルルを眺めながら地平線からの日の出を楽しむ。「この土地に来た喜び」を実感できる貴重な体験(写真:柳沢有紀夫)

 では、登頂以外にどんなアクティビティーを用意したのか。

 まずは雄大なウルルを背景に広大な地平線、さらには満天の星々を眺めながら屋外で食べる「朝食」または「ディナー」。もちろんそれだけでも都会に住む多くの観光客にとってまたとない魅力的な経験なのだが、近年ではそこにテーマパークが夜間に行うような「光と音のショー」の要素も組み込んだ。様々な色の光をアニメーション的に動かしながら、ナレーションでこの土地の季節の移り変わりや伝承を語っていくものだ。さらにこれらに夜空に浮かぶドローンの隊列を加えたものもある。

 いわば「伝統と現代技術の融合」だ。別の言い方をすれば、かつては踊りや楽器演奏を「昔ながらのスタイル」でそのまま見せるだけだったが、「最新技術を駆使したショー」にすることで「伝統文化に興味がない人」でも引き込まれるものに「進化」させたのだ。

準砂漠での「乗ラクダ」

 こうした朝食やディナーを含んだツアーは日の出や日の入りに合わせることがほとんどだ。朝食の場合はまだ暗いうちからホテルの前に集合してバスでショー会場に移動。日の出前、暗闇にうっすらと浮かぶウルルの姿を背景に光と音のショーを楽しみ、終了後は地平線から浮かび出る朝日とそれに照らされて赤く染まるウルルを眺める。同じ場所にとどまることで、時間とともに移り変わる様々なウルルの姿を眺められるのが、こうした「定点観測」的なアクティビティーの魅力だ。

 一方でウルルは遠くから眺めれば「巨大な岩」だが、近くから見るとじつに様々な表情を浮かべる。そうしたウルルに間近に触れたい人たちのためにはいくつかのウォーキングコースも用意されている(最長は外周を一周する10.6キロメートル)。観光客はひさしのようになったウルルの「中」に入ることも、手で触れることもできる。

 またひと味違った「ウルル巡り」をしたい人にはセグウェイ(立ち乗りで車輪が左右にある並行二輪車)でのガイドツアーも用意されている。

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