ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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「茶番劇」のような社会に生きる中で、本音を押し殺してばかりでは、いつか心が折れてしまいます。Xフォロワー約30万人の元自衛官ぱやぱやくんは、無理に大勢と同調するよりも「本音を語り合える友人」を大切にすべきだと語ります。本当に信頼できる人とのバディ関係を築くことで、茶番に流されない生き方を見つけるヒントを、著者最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から抜粋・再編集してお届けします。

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 私は、現実の社会は「茶番」である、とか、ときには「空気を読むべき」といった主張をしています。

 しかし、本当にずっとそんな風に生きるのは、正直きついです。

 人間は、ずっと我慢し続けていることはできません。

 ときには「自分の本音を理解して欲しい」「我慢ばっかりしていないで、思っていることを全てぶつけたい」という気持ちが芽生えるのが自然です。

 そういう気持ちまで、押し殺してしまってはいけません。

 どんなにメンタルが強い人でも、たった一人で生きていくことはできないからです。
 

 例えば、戦争などにおいても単独潜入任務を行えるのは、屈強な肉体と強靭なメンタルを持ち、よく訓練をされた工作員などに限定されます。

 理由は何もかもを1人でこなす必要があるため、普通の兵士では強いストレスを感じるとともに「自分はなぜここにいるのか?」と疑問を覚えるようになり、どうしても心が折れてしまうからです。

 ただ、2人態勢の潜入であれば、お互いに支えあうことができるので、任務のハードルは下がります。

 私たちも、厳しい社会を生き抜くために「茶番を演じなくても良い存在」を作っておく必要があるのです。

 こうした存在は「バディ」と呼ばれる関係に近いものです。
 

「言いたいことをストレートに言えない関係」は、バディとは言えません。

 もし戦場で困難に立ち向かう仲間に対して、隠しごとなどしていたら、それは生命の危機にも直結します。

 自分の思っていることをストレートに伝えた場合に、人間関係が壊れてしまうのは、ただの知り合いに過ぎないのです。

 そして、自分が落ち込んだとき、危機に陥ったときには、どれだけ知り合いがいようと、それは助けにならないケースも多々あります。

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友達は多ければ多いほど良いのか?