「野球は点取りゲームなので得点力を上げないと話にならない。選手個々の能力は決して劣っていないので、新たに就任した松中信彦打撃コーチのもとで技術と勝負強いメンタル力を高めて欲しい」(中日OB)

 投手陣を中心としたチーム編成と上位進出を逃す要因となった得点力の向上。中日には2つの大きな課題の解決へ即座に着手しなければいけないのは明白だろう。

 一方の西武は開幕から歴史的な低迷を経験し、首位・ソフトバンクから42ゲーム差(5位・オリックスから14ゲーム差)の最下位。5月26日に松井稼頭央監督が休養、渡辺久信GMが代行でチームの指揮を引き継ぎ、シーズン終了後には西口文也二軍監督が来シーズンから一軍監督に就任することが発表された。

「チームとして戦えていない。個々が自らのプレーのみに集中していて、良いプレーが出ても勝利に繋がらない。チーム一丸で相手が嫌がることを重ねて勝つという球団の伝統がなくなってしまった」(西武OB)

 今季のチーム打率.212、60本塁打、350得点はいずれもリーグ最下位と中日同様に得点力不足に悩まされた。

「野手陣には多少の小粒感もあったが、ここまで負けるチームではない。特に投手陣は右の高橋光成、今井達也、平良海馬、左の隅田知一郎、武内夏暉と他球団でもエース格になれそうな選手が揃ってはいる」(在京球団スコアラー)

 投手陣の顔ぶれは他球団に見劣りはしない。今季のチーム防御率3.02はリーグ4位ではあるが、投手は奮闘したともいえるだろう。しかしエース高橋が勝ち星なしに終わるなど、投打が一向にかみ合わなかった。

「精神論は好きではないがチーム全体として緩みを感じた。自主性尊重の方針に甘えて自らを追い込む選手が少なかった。時代錯誤と言われようが、まずは練習量を増やすことが重要だと思う」(西武OB)

 プロ入りする選手が才能に恵まれているのは言うまでもない。それらを磨き上げてこそ運も味方して結果も出せるようになるが、そこが欠落しているという意見もある。球団OBは「技術習得に量をこなさないといけない時期がある」とも付け加える。

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低迷続けばさらなる悪循環に…