ソフトバンクの有原

「パ・リーグ向きの投手だ」

 メジャーで思うような結果を上げられなかったが、日本球界に復帰して活躍する投手もいる。その代表的なケースが有原航平(ソフトバンク)だろう。日本ハムからポスティングシステムで21年にレンジャーズに移籍したが、右肩痛で離脱するなど2年間で計3勝に終わり、昨年からソフトバンクへ。活躍に懐疑的な見方が少なくなかったが、昨年はチーム唯一の2ケタ勝利となる10勝をマーク。今季は14勝7敗、防御率2.36。最多勝に輝き、投球回数182回2/3もリーグ最多。4年ぶりのV奪回に大きく貢献した。もっとも有原は140キロ後半の直球と多彩な変化球を操る投球スタイルで、力でねじ伏せる藤浪とタイプが違うため一概には比べられない。

 セ・リーグ球団の編成部門に携わる関係者は、藤浪の獲得に否定的な見方を示す。

「うーん、ウチは獲らないと思いますね。阪神で高卒1年目から3年連続2ケタ勝利を上げましたが、その後は伸び悩んだ時期が長いですし、メジャーでも今年目立った成績を残していない。先発、救援で現有戦力の投手たちと比較して補強することは考えづらい。どちらかと言うと、パ・リーグ向きの投手だと思います。広い球場が多いので力勝負の投球スタイルは相性がいい。投手の再生能力が高い球団は興味を示すと思います」

 規格外のスケールは、誰もが認める。阪神からポスティングシステムでメジャーに挑戦した際は「米国の方が才能を引き出せるのではないか」と期待の声が上がり、昨年はその片鱗を見せた時期があった。藤浪は11月初旬からプエルトリコでのウインターリーグに参加するという。メジャーのスカウトが視察する中、来季への戦いはもう始まっている。

(今川秀悟)

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