マイナーのマウンドで投球を続ける藤浪(AP/アフロ)
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 大リーグのメッツ傘下3Aに所属する藤浪晋太郎が、来季もメジャーでプレーを望んでいることが、複数のスポーツ紙で報じられた。

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 メッツと単年契約を結んだ今季は3Aで開幕を迎えた。コンディションを上げたかったが、5月に右肩の違和感を覚えて負傷者リスト入り。1か月後に実戦復帰したが、7月26日にメジャー40人枠から外れた。3Aで主に中継ぎとして29試合登板したが、1勝2敗1セーブ7ホールド、防御率6.68。昨年はアスレチックス、オリオールズで計64試合登板したが、今年はメジャーで登板機会なしに終わった。

「3Aで160キロを超える直球を投げ込み、奪三振率は10を超えました。ただ制球が不安定なので、走者をためて痛打で大量失点を喫する。投げてみないと分からない状況なので、首脳陣も計算しづらい。メッツは救援陣の層が薄かったので藤浪への期待は大きかったですけどね……。30歳という年齢を考えると、期待を込めて起用される若手に比べてチャンスは少ない。本人が一番理解していると思いますが、来年にメジャー契約を勝ち取るのは険しい道のりになると思います」(メジャーを取材するスポーツ紙記者)

 藤浪がメジャーの舞台に再び戻ることができれば理想だが、今年のようなパフォーマンスでは厳しい。

 メジャーリーガーの代理人はこう指摘する。

「160キロを超える直球を投げる投手は3Aで珍しくない。問題はコマンド能力です。狙ったところに投げられる確率を高めなければ、メジャーでは通用しない。あとは決め球になる絶対的な変化球がないと打者を抑えられない。藤浪のウイニングショットはスライダーですが、引っかけたり抜けるケースが多い。変化球のストライク率を上げないと、直球だけでは手詰まりになる。持っている能力は間違いなく高いので、投球フォームのメカニズムがハマれば変わるかもしれませんが……」

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