生還する選手を迎える三浦監督
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 短期決戦に入って、DeNAが強い。ペナントレースは3位に終わったが、CSファーストステージで2位・阪神に敵地・甲子園で2連勝を飾ると、4年ぶりのV奪回を飾った巨人にも2連勝。巨人先発は1戦目が戸郷翔征、2戦目は菅野智之と難敵が続いたが、DeNA投手陣が踏ん張り、2試合連続で接戦を制した。

【写真】CSファイナルステージで巨人に連勝して喜ぶナイン

 スポーツ紙デスクは、DeNAの戦いぶりをこう語る。

「勢いに乗ったら手が付けられない反面、攻守でスキが多いのがDeNAだった。でも、この短期決戦は違います。個々の選手が集中力を研ぎ澄まし、好守で投手陣を盛り立てている。まだファイナルステージの行方は分かりませんが、今までとは別のチームと考えた方がいいでしょう」

 1998年以来リーグ優勝から遠ざかっているDeNAだが、攻守で充実した布陣の近年は優勝候補に挙げられることが多かった。昨年は今永昇太、トレバー・バウアー、東克樹と強力な先発3本柱を擁し、打線も自身2度目の首位打者を獲得した宮崎敏郎、打点王と最多安打に輝いた牧秀悟を筆頭に強打者がそろう陣容だったが、阪神の独走を許す形となり3位に。安打は出るが、得点が入らない。走塁ミス、拙守で試合の主導権を相手に明け渡してしまう試合が目立った。

 今季は今永、バウアーが抜けて先発の層が薄くなり、救援陣も山崎康晃、伊勢大夢が痛打を浴びる場面が目立つなど、なかなか上昇気流に乗れない。8月下旬まで借金生活が続いた。

「コーチがフロントに直接進言」

 就任4年目の三浦大輔監督に対する風当たりが強くなる中で、スポーツ紙記者は「チームが一つに向いていない。一歩間違えれば空中分解する」と感じていたといい、次のような内情を明かす。

「あるコーチが『(他球団の)この選手を獲得した方がいいですよ』などと球団フロントに直接進言しているという情報が流れてきました。2年前から続いていたみたいですが、事実だとしたらコーチの権限を越えた越権行為と取られても仕方ない」

 このコーチは次期監督の有力候補と目されていたという。

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主力選手が口にする「不信感」