ロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」を設立。静岡県藤枝市に音楽スタジオを建設するためのクラウドファンディング(9/27~12/15)を実施している。
若いミュージシャンの育成を目的とした音楽賞「APPLE VINEGAR -Music Award-」を立ち上げたり、インディーズ・バンドのプロデュースを行うなど、さまざまな形で下の世代の音楽家をサポートしてきた後藤。今回のクラウドファンディングの目的は、静岡県藤枝市にある土蔵をレコーディングスタジオに改修し、隣接するビルを宿泊施設とコミュニティスペースとして整備すること。音楽を志す人たちがリーズナブルに制作に集中できる場所を目指すという。
「音楽をやりたい、作品を作りたいという意欲のあるすべての人に開かれてほしい」という後藤に、スタジオ建設に至った経緯、その将来的なビジョンについて聞いた。
――後藤さんは以前から、音楽賞の設立などを通し、後進のミュージシャンへの支援を行ってきました。今回のスタジオ建設のためのクラウドファンディングも、その一環なのでしょうか?
そうですね。音楽賞では基本的に大賞、特別賞の受賞者にしか金銭的な支援が行えないので、もっと広く、長期にわたって役割を果たしたという気持ちがあって。スタジオをつくることは僕たちにとっても学びがあるし、利用してくれる人たちと一緒に音楽をつくるためのより良い環境を生み出せたらいいな、と。
――音楽制作ソフトを使ったDTMが発達し、パソコンで手軽に曲をつくれるようになりましたが、一方でスタジオを使った録音はハードルが上がっています。特にインディーズやアマチュアのミュージシャンが本格的なスタジオ録音で作品をつくるのはかなり難しいですよね。
明らかに格差が広がっていると思っています。確かに一人で(楽曲制作の過程を)完結できるミュージシャンが増えましたが、それが予算の圧縮にもつながっていて。