いきなり熟キャバの話題で恐縮ですが、家庭が円満で子どもが可愛かろうが、仕事で大成功していようが、女として可愛がられたり崇められたり他人より評価されることが必要な夜ってあるよね、と私も四十年以上女として生きてきてつくづく思うわけです。私自身、この一年、妊婦生活と産後生活で優しくされることはあっても女として評価されるとか口説かれるとか、ましてときめきがあるような恋の予感とか、そんなものと無縁だったわけで、尋常じゃないほどのときめき不足になっています。

恋愛妄想体質でも、妄想すらしなくなった

 おたよりにあるような、罪悪感を覚えるほどの生真面目さも、平穏を崩すつもりがないと言い切れる潔さも持たない私ですが、さすがに妊娠中の黒々とした乳首や変な毛が生えまくっていたお腹で実際に恋に落ちてみるかという気にはなかなかならず、目下の悩みも醜い産後太りをどう克服するかといったことであって、やはり現実的な恋愛とはかなり遠い場所にいます。そうなってくると不思議なことに、あんなに恋愛妄想体質だった私でも、それらと遠く離れすぎると妄想すらしなくなるということに気づきました。

 結局、私は長らく独身で、自由にいろんな異性と触れ合い、恋に落ちる可能性を常に背負いながら生きていたが故に妄想に花を咲かせていられたわけで、人はそのかけらも摂取しないと妄想の種にもありつけないのだと実感した次第です。実際、普段そんなに読まなかったレディコミやちょっと年齢層高めの少女漫画雑誌を読みふけってみると、多少肥料が与えられたのか、雑草程度の妄想力なら戻ってきた気がします。NHKでニュースを読んでいるアナウンサーを見てもちょっと妄想するくらいには回復してきました。

 さて、お仕事に復帰されて小さなときめきや恋の予感が散らばっている日常が久しぶりすぎてどう距離をとったらいいのかわからないというお話だったと思いますが、ときめくこと自体は誰にも裁けないと思いますし、小さな恋の予感を楽しむことも何も悪いことだとは思いません。というか女に生まれた以上、そういう瞬間がどうしても必要だという人は結構多いんじゃないでしょうか。

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