鈴木涼美さん
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 作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日お越しいただいた、悩めるオンナは……。
 

【写真】ウエストが美しい!ビーチではじける鈴木さん

Q. 【vol.25】恋愛に手を伸ばしてしまいそうな自分が怖いワタシ(40代女性/ハンドルネーム「あお」)

 もうすぐ50歳のアラフィフです。子育ても落ち着き始め、フリーランスで仕事を再開しました。仕事は順調で、人間関係も今までのママたちのみの世界から出会いが増え、ずっと忘れていた「異性」のいる世界に急に足を踏み入れることになり、ときめきを思い出してしまう自分に戸惑っています。

 若い頃、恋愛に疲れてもう二度と恋愛をしなくもよい結婚生活に安心感を持っていました。平穏を崩すつもりはありません。ところが、50歳近くても世に放たれてみると、まだそこかしこに恋愛になってしまいそうな機会が転がっていて、つい手を伸ばしてしまいそうな自分が怖いです。

 まだ異性としてみてもらえたことが嬉しく思ってしまう自分に罪悪感もありつつ、まったく枯れ果てておばちゃんになりきってしまうことも寂しく思っていて、そんな感情とどう付き合っていけば良いのか、と悩んでいます。肉体的な欲求はもうありません。

A. 小さな恋のかけらを拾い集めて大きな妄想に

 以前、西荻窪の熟女キャバクラや半熟女キャバクラで働く人妻女性たちにちょっとしたインタビューをしたことがあります。意外というか印象的だったのは、経済的な理由や時間的な都合などを第一の動機として語る人は少数で、お話を聞いた多くの方が「子供が生まれてから旦那とは家族という感じでときめきがないので異性と触れ合いたくて」とか「まだまだ女性として終わってないことを証明したくて」「可愛い女扱いされたり口説かれたりするのが楽しい」といったことをおっしゃっていたことです。

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妄想に花を咲かせる“肥料”