10月も中盤戦に突入しました。最近「AERA dot.」に掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は9月20日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
【写真】新庄監督がもし今年でやめたら…日ハムの次期監督はやはりこのレジェンドか
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日本ハムが強い。首位ソフトバンクに9月17日からの2連戦で連勝を飾り、貯金は今季最多タイの16にした。優勝マジック「5」が点灯しているソフトバンクとは9ゲームの大差がついているため逆転優勝は厳しいが、2位でのCS進出をほぼ手中にしている。
「ソフトバンクがCSで最も警戒しているのが日本ハムだと思います。投打で能力の高い選手がそろい、質の高い野球を見せている。特に先発陣は伊藤大海、山崎福也、加藤貴之、金村尚真、北山亘基、バーヘイゲンとエース級の投手がそろっています。短期決戦で下克上を果たしても不思議ではありません」(スポーツ紙デスク)
成績不振の責任を取り、18日に今季限りでの退任を発表した中日・立浪和義監督と、日本ハムの新庄剛志監督は、よく比較されてきた。共にNPBでの指導者経験がないまま22年に監督就任。低迷期が続いているチームの再建を託され、いずれも就任1年目から2年連続最下位に低迷した。だが、今年に入って明暗が分かれた。中日が借金を2ケタ以上背負って最下位争いを繰り広げているのと対照的に、日本ハムは大きく躍進した。
他球団のスコアラーは、新庄監督の手腕に驚きを口にする。
「3年前の時点では、日本ハムのほうが中日より立て直しに時間が掛かると思っていました。日本ハムは主力選手たちがごっそり抜けて、1軍での実績がない選手ばかり。生え抜きの選手を我慢強く起用して一本立ちさせるのは時間が掛かりますが、新庄監督の凄さは起用法に先入観がないことです。無理に若返りを図ったりするのではなく、実力主義を貫いて起用している。出場機会が少なく伸び悩んでいた中堅の松本剛が首位打者を獲得したのが好例です。田中正義、郡司裕也、水谷瞬など他球団で出場機会に恵まれなかった選手も次々に素質を開花させた。2年連続最下位に低迷していた時も、走塁や守備の精度を上げることを徹底して、チームの土台を作る方針がブレなかった。これほど有能な監督はなかなかいない」